頭頸部外科
Online ISSN : 1884-474X
Print ISSN : 1349-581X
ISSN-L : 1349-581X
原著
p16陽性中咽頭癌StageⅢの初回治療と予後因子の検討
栗山 将一齊藤 祐毅坂井 利彦小村 豪福岡 修明石 健吉田 昌史安藤 瑞生朝蔭 孝宏山岨 達也
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 32 巻 3 号 p. 245-250

詳細
抄録
p16陽性中咽頭癌は治療に奏効することが多く,予後良好な疾患として知られている。今回われわれは,当科におけるp16陽性中咽頭癌Stage Ⅲ症例の初回治療の選定について検討した。
初回治療は化学放射線療法(Chemoradiotherapy=CRT)13例,導入化学療法(Induction chemotherapy=ICT)3例,手術2例,その他5例であった。全体の5年粗生存率(OS)は78%,5年無再発生存率(RFS)は69%で,初回治療別(CRT/ICT/手術/その他)5年OS:77%/67%/50%/100%,5年RFS:69%/67%/0%/100%であった。
本検討症例のp16陽性中咽頭癌Stage Ⅲに対するCRTおよびICTでの治療成績はともに70%程度と比較的良好であった。検討の結果,20 pack-years以上の喫煙と60歳以上の症例は予後不良であることが伺えた。
著者関連情報
© 2023 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top