抄録
今回われわれは2002年9月から2021年9月に当院で術前臨床的に甲状腺未分化癌と診断し,術後病理組織学的検査で確定診断が得られた14症例について臨床的検討を行った。cStage ⅣAはなく,ⅣBが10例,ⅣCが4例あった。病変の範囲に応じて治療を行い,下咽頭喉頭全摘が2例,甲状腺全摘が8例,葉峡切除が4例で施行されていた。転帰は無病生存が3例,担癌生存が1例,原病死が10例で,原病死のうち局所制御が得られたものが3例あった。1年全生存率は57.1%,局所制御率は57.1%であった。未分化癌においても手術加療により局所制御が得られ,生命予後に寄与する可能性があると考えた。