抄録
RS3PE症候群は免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の免疫関連有害事象(irAE)として報告されている。頭頸部癌のICIによるRS3PE症候群は報告例がなく, 留意すべきと考え報告する。症例は62歳,男性。中咽頭癌(p16陽性 cT3N1M0 Stage Ⅱ)に対する化学放射線療法後の肺転移に,Pembrolizumabによる治療を施行した。3コース投与後に両手足の浮腫・疼痛を認めた。抗核抗体・RF・抗CCP抗体は陰性であり,RS3PE症候群と診断した。ステロイド投与により症状は改善し,Pembrolizumabの投与継続が可能となり,肺転移を良好にコントロールすることができた。