頭頸部外科
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前頭骨外板付き頭蓋骨膜弁による前頭蓋底再建の一工夫
辻 裕之南 豊彦立川 拓也小椋 学川村 繁樹山下 敏夫川上 勝弘久徳 茂雄
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2000 年 10 巻 3 号 p. 145-148

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抄録

 前頭蓋底切除後の頭蓋底再建において,頭蓋骨膜弁や遊離腹直筋皮弁による軟性再建は必須であるが,硬性再建が必要か否かは以前より議論の対象になってきた。その原因として遊離骨による再建は血行が不十分なため移植骨が縮小,あるいは感染・腐骨化を惹起させる点である。そのため,われわれは1986年よりおこなった前頭蓋底手術12例に対しては全例頭蓋骨膜弁による軟性再建のみを施行してきた。しかし,より安全で確実な頭蓋底再建を目指すためには硬性再建を行う方が理想的であると考えている。今回,頭蓋底欠損部の硬性再建として前方および側方を茎とした頭蓋骨膜に前頭骨外板を付けた有茎骨弁により前頭蓋底再建をおこない良好な結果を得たのでその術式について報告する。

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