2000 年 10 巻 3 号 p. 149-154
山田赤十字病院耳鼻咽喉科において経験した気管孔再発3例を報告した。全例とも声門癌であり,放射線治療後に喉頭摘出が行われていた。3例中1例は腫瘍減量手術後に残存腫瘍に対して術後照射を施行した。この症例は術後2年6ヵ月非担癌生存中である。また,1例は再発腫瘍の切除後,欠損した気管壁をDP皮弁で再建したが,術後5ヵ月非担癌生存中である。気管孔再発は予後が非常に不良で救済手術は避けられる傾向にあるが,時には積極的な手術が予後を良好にすることもある。気管孔再発防止のためには気管傍郭清が必須であると考える。