頭頸部外科
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特異な経過をたどった外耳道異物の一例
殿内 一弘山本 昌彦吉田 友英野村 俊之八十島 唯幸
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2001 年 11 巻 3 号 p. 97-102

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抄録
 84歳男性の外耳道を閉鎖するガラス異物の症例を報告した。耳介の裂傷で入院した既往があり,この際に外耳道異物は認められなかった。左耳漏を訴え受診し,外耳道を閉鎖するガラス異物がみられた。単純レントゲンでは異物の陰影は認められず,側頭骨CTでは,外耳道に異物を確認できた。局所麻酔で耳後部を切開して摘出した。ガラス片は12×24×3mmであった。ガラス片が,単純レントゲンに写るかを確認するために頭部ダミーを使い実験をした。ガラス片は耳介上部の側頭骨面では写るが,骨の厚い乳突部では写らなかった。乳突部にガラス異物の混入が疑われる場合にはレントゲン撮影だけでは不十分であり,乳突部周囲のCTが必要であると思われる。
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