頭頸部外科
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家族性頸動脈小体腫瘍の2症例
志賀 清人舘田 勝西條 茂
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2001 年 11 巻 3 号 p. 103-108

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抄録

 頸動脈小体腫瘍は比較的稀な疾患であるが家族内発症例も報告されている。我々は父親とその娘にこの腫瘍が認められた例を経験した。父親は右頸動脈小体腫瘍の他,左副咽頭間隙にも腫瘍がありこれも病理組織学的には頸動脈小体腫瘍とおなじparagangliomaであり頸部に同時性に多発した迷走神経傍神経節腫と考えられた。また娘の腫瘍はリンパ節転移を伴っており悪性と診断した。いずれの腫瘍も動脈造影所見では周囲に多数の血管が存在する血流に富む腫瘍であった。両者とも摘出術を行ったが術後に父親は左IX,X,XII脳神経麻痺を,娘は左Xの脳神経麻痺を合併した。

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© 日本頭頸部外科学会
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