頭頸部外科
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当科における顎下腺腫瘍27症例の検討
八木 美歌川名 正博佐藤 克郎高橋 姿
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2002 年 12 巻 2 号 p. 65-69

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抄録
 過去19年間に当科で加療した顎下腺腫瘍27例(新鮮例24例,再発例3例)につき検討した。良性腫瘍は20例で,すべて多形腺腫であった。悪性腫瘍は7例で,組織型別では腺様嚢胞癌,腺癌,多形腺腫由来の癌が各2例,粘表皮癌(高悪性)が1例であった。画像検査は,超音波エコー, CT, MRI,唾液腺造影を組み合わせて行ったが,MRIが最も有用と考えられた。20例に穿刺吸引細胞診(FNA)を行い,正診率は89.5%であった。術中迅速病理診断は23例に行い,良性腫瘍は18例中17例,悪性腫瘍は5例中1例永久病理と一致した。 治療は,良性腫瘍はすべて腫瘍を含めた顎下腺全摘出術を行い,悪性腫瘍には腫瘍を含めた顎下腺全摘出術,腺癌の2症例には根治的頸部郭清術変法と術後照射を追加した。高悪性粘表皮癌の1例は術後照射を追加した。良性腫瘍症例の再発はなく,悪性腫瘍症例の5年生存率は71%であった。
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