頭頸部外科
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甲状腺乳頭癌に対する甲状腺切除手術
―甲状腺全摘,中心領域郭清を中心に―
杉谷 巌
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2005 年 15 巻 1 号 p. 49-54

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抄録

 甲状腺乳頭癌の予後は一般に良好であり,その手術治療においては確実な癌病巣の切除とともに,できるだけ低侵襲の手技が求められる。とくに甲状腺全摘術の場合には,反回神経や上喉頭神経外枝の損傷に注意するばかりでなく,副甲状腺(上皮小体)機能を確実に温存するテクニックが重要となる。また,頸部の手術では整容的配慮も重要である。本項では,甲状腺切除術における反回神経の解剖と温存のためのコツ,副甲状腺の温存法(Capsular dissection,準全摘,自家移植の各術式)について述べるほか,上喉頭神経外枝や非反回下喉頭神経に関する注意などを解説する。

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