頭頸部外科
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頸部既手術症例における遊離組織移植術の検討
横島 一彦中溝 宗永島田 健一小津 千佳相田 瑞恵稲井 俊太酒主 敦子粉川 隆行八木 聰明
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2005 年 15 巻 1 号 p. 55-60

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抄録

 術後の局所合併症や再発,重複癌に対する頭頸部二次手術において,遊離組織移植は良好な創傷治癒が期待できるものの,先行手術による術野の悪条件のために,困難な要因が多い。そこで,自験例16例を解析し,その有用性,注意点と解決法を検討した。 遊離組織移植を行なった症例の局所創傷治癒は良好であり,有茎皮弁より有用であると思われた。移植床血管として,頸横動脈と内頸静脈を多く使用した。これらは,先行手術の郭清野内でも,比較的容易に使用可能であった。また,術野の炎症も遊離組織移植の妨げになり,消炎が重要であることが空腸壊死例の経験から示唆された。炎症のある術野での再建には有茎皮弁が有利であると思われた。

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© 日本頭頸部外科学会
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