抄録
46歳,男性。後頭部皮膚から生じ,後頭骨~ 硬膜浸潤まできたした巨大な扁平上皮癌を経験した。当院皮膚科医の,腫瘍を減量し残存腫瘍に対しての放射線治療が奏功すれば術後2年以上の余命が見込める可能性があるとの意見を取り入れ手術,再建術,放射線治療を行った。術後1年5ヶ月にわたり腫瘍消失しquality of lifeが維持されている。皮膚科領域では扁平上皮癌は有棘細胞癌と呼ばれ,頭頸部管腔臓器の扁平上皮癌より転移をきたしにくい扁平上皮癌であること,皮膚科,頭頸科,脳外科,放射線治療科,形成外科,口腔外科で早期にチームを組み治療にあたったことがよい結果につながったと考えられた。