頭頸部外科
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前頭蓋底手術を施行した腎癌節骨洞転移症例
大前 麻理子南野 雅之辻 裕之永田 基樹湯川 尚哉川上 勝弘久徳 茂雄山下 敏夫
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2005 年 15 巻 2 号 p. 109-112

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抄録
 腎細胞癌は原発巣の治療後長期間を経て,全身のあらゆる部位に転移することがある。今回われわれは腎癌手術後3年を経過して節骨洞に転移した症例を経験したので報告する。症例は64歳男性,左鼻出血を主訴に紹介となる。初診時左鼻腔内に易出血性の赤色腫瘤を認めた。組織診にて腎細胞癌と診断された。腫瘍は節骨洞の天蓋に達しており画像上硬膜への浸潤も疑われた。腎細胞癌の術後治療としては,インターフェロンの補助療法が主体である。しかし,転移巣に関してはその奏効率は低く,可能ならば全摘出が主体である。そこで,前頭開頭による前頭蓋底手術により節骨洞に転移した腎細胞癌を一塊として摘出した。
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© 日本頭頸部外科学会
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