頭頸部外科
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前頭洞の炎症性疾患および嚢胞性疾患に対する拡大手術と縮小手術の進歩
鴻 信義
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2006 年 16 巻 1 号 p. 27-31

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抄録
 前頭洞病変に対するアプローチは,鼻外手術から前方斜視鏡下の鼻内手術へと変遷してきた。しかし元来鼻前頭管は,前頭蓋底や眼窩壁など解剖学的危険部位に囲まれており,前頭洞を鼻腔へと開放できる範囲には制限がある。このため術後に鼻前頭管が再閉塞する症例も少なくない。鼻前頭管が骨性に閉鎖した再発性前頭洞炎や,眼窩上または前頭蓋底にそって存在する前頭洞嚢胞は,特に治療に難渋する事が多い。通常のESSで十分に対応できなければ,前頭洞底の骨削開や,鼻外手術とESSの併用などが必要となる。鼻前頭管へのシリコンチューブの留置も有効であるが,抜去後の再閉鎖予防は今後の課題である。
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© 日本頭頸部外科学会
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