頭頸部外科
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喉頭軟骨肉腫の2症例
昼間 清笹村 佳美根本 哲生三橋 敏雄堅田 浩司森川 文
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2007 年 17 巻 2 号 p. 139-146

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抄録
 喉頭軟骨肉腫は非常に稀な疾患で,喉頭原発悪性腫瘍の1%以下の頻度であると言われる。今回,経過の異なる2症例を経験したので報告する。症例1は62歳,女性。咽喉頭異常感のため精査を行い,左声門下に境界明瞭な腫瘤を認めた。喉頭直達鏡下生検にて,軟骨肉腫grade IIと診断された。症例2は67歳,男性。12年前に声門下後部の軟骨腫の摘出を行うが,放置していた。呼吸困難にて受診,気管切開を施行され,喉頭直達鏡下生検にて,軟骨肉腫grade IIと診断された。喉頭軟骨肉腫の術式としては喉頭を温存したままの腫瘍摘出や部分切除もあるが,2症例とも反回神経麻痺を伴い,輪状軟骨の広範な破壊があったため,喉頭全摘術を施行した。
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