頭頸部外科
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片側反回神経麻痺による嗄声の治療甲状軟骨形成術I 型の経験
湯本 英二門田 吉見
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1993 年 3 巻 2 号 p. 161-167

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抄録
 片側反回神経麻痺による嗄声の治療として,甲状軟骨形成術I型(以下,I型と略)を6例に施行し,6ケ月以上経過を観察した。4例で自覚的満足が得られた。この4例中3例では発声機能も良好であった。他のI例は麻痺側声帯が高位であったがI型で嗄声は著明に改善した。術後6~8ケ月で発声機能がやや悪化したが日常生活にまったく支障がなくなった。1例では,甲状軟骨翼に設けた窓枠が正中位の声帯よりもやや上方になったこと,そのために局所の浮腫をきたしたことが重なって十分な嗄声の改善を得られなかった。残る1例はレベル差が大きかったので後に披裂軟骨内転術を追加して良好な結果を得た。
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