頭頸部外科
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頭蓋底神経鞘腫の治療について
岩井 満岸本 誠司
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1994 年 4 巻 2 号 p. 153-157

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抄録
 頭蓋底に発生する神経鞘腫は比較的稀な疾患であるが,近年様々なアプローチによる摘出が行われており,最近の焦点は如何に術後の機能障害を抑えるかに移りつつある。これには腫瘍の部位,大きさが重要な因子となる。我々は頭蓋底神経鞘腫7例について手術法,術後機能改善治療を検討した。症例は舌下神経鞘腫1例,頚静脈孔神経鞘腫2例,迷走神経鞘腫1例,交感神経鞘腫1例,三叉神経鞘腫1例,頚神経由来の神経鞘腫1例であった。舌下神経鞘腫の1例は再発に対し2回の再手術を行っている。他の6例は初回手術で全摘出できた。舌下神経,頚静脈孔神経鞘腫例では術後顔面神経麻痺,嚥下困難,嗄声が生じ,機能改善手術を行った。
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© 日本頭頸部外科学会
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