1995 年 5 巻 2 号 p. 185-192
副神経,頸神経,胸鎖乳突筋,を保存して行う機能的頸部郭清術を紹介する。本術式は長年のRNDの経験から工夫された方法ある。本術式は頸部リンパ節転移が一番多いと考えられる上内深頸部において,リンパ節の郭清がRNDと同程度に行え,且つ,頸部郭清術の後遺症が最小に保たれる事を目的にした手術方法である。副神経は胸鎖乳突筋を横切る所で同定し保存する。頸神経は,郭清の際に剥離の方向を工夫し深頸筋膜を確実に残すことで保存する。胸鎖乳突筋とその表層の皮膚との間の剥離は最小とし,胸鎖乳突筋の裏面を脂肪塊から剥離することで郭清を行う。