急速な普及をみている内視鏡下副鼻腔鼻内手術のあり方を検討するために,1世紀有余にわたって発展してきた副鼻腔炎手術の歴史と各種の手術術式をreviewした。今世紀の前半は「radicalかconservativeか」の論争のもとでradicalを指向する手術法が発達した時代であったが,手術成績は余り良好とはいえず,今世紀後半になつてconservativeな手術として鼻内手術手技が見直されて手術成績も向上した。内視鏡およびTV導入は鼻内手術を安全かつより完全に行うために重要な役割を演じている。また解剖学的個人差の多い副鼻腔を安全に手術するために,内視鏡および画像所見を良く観察し,手術手技に関する十分な研修が行なわれる必要がある。