頭頸部外科
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内視鏡下副鼻腔手術(ESS)の可能性と将来
― ESSの手術器具の改良と開発―
小澤 仁
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1995 年 5 巻 2 号 p. 61-66

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抄録

 頭頸部外科領域の中で,狭く,深く,暗い手術視野で行われる鼻副鼻腔の手術の多くは,従来は鼻外法や経上顎洞法によってなされていた。しかし,内視鏡やビデオ裝置などの発達が,前鼻孔を経由した鼻内手術の適応を拡大させ,鼻副鼻腔手術の進歩に大いに貢献している。こうした,内視鏡下鼻内手術の普及に伴い,従来の手術器具の改良と新たなる開発を余儀なくされている。鼻鏡,鉗子類,彫骨器,吸引管,メス,ノミ,剥離子,鋭匙など,内視鏡下鼻内手術用に改良・開発された手術器具は,小型で細身,かつ様々な角度に彎曲しており,外径4mmの硬性内視鏡と共に前鼻孔より挿入されても微細で正確な手術操作に支障を与えない。 本稿は,副鼻腔炎鼻内手術,副鼻腔嚢胞開放術,鼻中隔彎曲矯正術,視神経管開放術,眼窩吹き抜け骨折整復術などを施行する際に,必要とされる手術器具を紹介し,その効用と今後の改良点について検討したい。

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© 日本頭頸部外科学会
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