1995 年 5 巻 2 号 p. 67-70
副鼻腔の臨床解剖を熟知し,症例ごとのバリエーションを把握した上で,常に紙様板,視神経管,篩骨洞天蓋,頭蓋内壁,前,後篩骨動脈,蝶口蓋動脈,内頸動脈などめ危険部位に留意すれば,内視鏡下鼻内手術の合併症のほとんどは,未然に防ぐことができる。また合併症を起こしてしまったときに,できるだけ早く気がつくように注意することも大切である。多くの合併症はすぐ気がついて,あわてずに対処すれば,大きな問題にはならない。しかし,以上のような点への配慮を怠れば,重大な合併症も起こり得る。