喉頭扁平上皮癌における最適の頸部郭清術の術式と適応を明らかにするために,当科で根治治療を行った一次例1,045例(1979~93)を対象にretrospectiveに検討した。検討項目は頸部リンパ節転移率,転移部位,頸部郭清術式と再発率,声門下進展と傍気管リンパ節転移率および傍気管郭清術と再発率であった。 臨床的N0例の予防的頸部郭清の適応について,発癌部位とT分類別に決定し,20%以上の潜在性転移率を持つ症例群とした。 郭清術式はN0,N1,N2aではMND,N2bではMNDまたはMRND,RND,N3ではRNDが適応と考えた。 傍気管郭清は高度声門下進展例(grade3以上)が適応となり,その術式は現在の我々の方法が妥当であると考えた。