頭頸部外科
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2歳男児の頸部食道に原発した線維腫症の一例
井上 俊哉辻 裕之南 豊彦山下 敏夫佐藤 正人浜田 吉則日置 紘士郎
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1996 年 6 巻 1 号 p. 11-15

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抄録

 線維腫症は,組織学的には良性腫瘍に分類されているが,臨床上はその発育形態や再発の多さから悪性腫瘍に準じて取り扱われている。 今回著者らは,2歳男児の頸部食道に原発した線維腫症の一例を経験した。生後4カ月頃より喘鳴を認め,生後10カ月頃には嚥下障害が増強してきたため,近医を受診。精査目的にて,本院小児科紹介となる。画像上,頸部食道から梨状窩,甲状腺にかけて腫瘍陰影を認め,直視下食道生検にて,線維腫症と診断された。 1995年7月18日,全身麻酔下に咽喉食摘,甲状腺全摘術施行,遊離結腸にて再建した。 術後6カ月の現在,成長も順調で局所再発も認めていない。

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© 日本頭頸部外科学会
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