頭頸部外科
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癒着性中耳炎の病態分類と治療
坂井 真新川 敦佐藤 むつみ田村 嘉之小林 良弘石田 克紀
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1996 年 6 巻 1 号 p. 17-22

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抄録

 癒着性中耳炎の定義,病態分類ならびに手術的治療法に関して検討を加えた。また,癒着性中耳炎57耳を緊張部全面癒着型,後上部癒着型,鼓室線維性癒着型に分類し,それぞれの病態の成因につき検討した。 手術には外耳道保存型鼓室形成術と外耳道削除型鼓室形成術・乳突腔充填術併用術を行ない,乾燥硬膜とアパセラム耳小骨を用いて新鼓膜の再癒着を防止する術式を行なった。 後上部癒着型14耳には主として外耳道保存型鼓室形成術を適用し,術後聴力改善率は81.5%であり,術後の鼓膜状態が正常化したもの72.7%であった。また,緊張部全面癒着型40耳には外耳道削除型鼓室形成術・乳突腔充填術併用術を適用し,術後聴力成功率は65.1%であった。

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© 日本頭頸部外科学会
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