鼻弁の狭窄による鼻閉は少ないものの,わが国でもようやく認識され始めた。鼻弁狭窄による鼻閉は手術により改善しうる。手術の基本は鼻中隔上部の矯正,外側鼻軟骨の前下方の部分切除による鼻弁角度の修正であるが,後者を行う際のアプローチ法は大別して2つになる。鼻限の外側鼻軟骨一鼻翼軟骨間に入れた皮切から外側鼻軟骨下部のみを露出して行う経鼻孔法と,コルメラ前方の皮膚切開を置き,皮弁を剥離挙上し,外鼻錐体を露出して明視下に行うopen rhinoplastyとである。手術や外傷に起因するものは後者を選ぶが,それ以外では何れの方法でも良い結果が得られる。