咽喉食摘後の咽頭・頸部食道再建法について,これまで当科で再建し嚥下機能を評価し得た54例をもとに検討を行った。有茎皮弁再建に比べ,遊離空腸再建では摂食状況は良好であったが,咽頭高位切除例では摂食不良例がみられた。空腸のρ形再建では必ずしも大きな改善は見られなかった。遊離結腸再建では食道側吻合において縦隔からの余裕がない場合に狭窄を生じる例が見られた。これらの評価から再建法の選択について検討した。切除上端が扁桃下極以下では空腸による端々または端側吻合再建で十分と思われるが,扁桃以上の高位切除例では,切除下端が上縦隔と余裕がある場合は結腸再建が,余裕がない場合はρ形吻合による空腸再建が望ましいと思われた。