頭頸部外科
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臨床的N0頸部(深頸部)に対する予防的頸部郭清術
吉野 邦俊佐藤 武男藤井 隆稲上 憲一橋本 典子西谷 茂樹上村 裕和長原 昌萬
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1996 年 6 巻 3 号 p. 141-147

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抄録

 頭頸部扁平上皮癌の臨床的N0例に対する深頸部の予防的頸部郭清の適応,郭清範囲,術式について,当科での経験をもとに検討した。また代表的術式であるlateral NDの手術手技について述べた。予防的頸部郭清の適応の基準を,潜在性転移率が20%以上として,各発癌部位についてT病期別の適応を明らかにした。転移部位はどの発癌部位でも大部分はlevel II,III,IVであり,level Vにはほとんど認められず,level Vの郭清は不要と思われた。郭清術式は副神経,胸鎖乳突筋,内頸静脈,頸神経などを温存し,喉頭,中・下咽頭癌にはlateral ND(level II,III,IV),舌・口腔底癌にはsupraomohyoid ND(level I,II,III)が妥当であると考えられた。

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