頭頸部外科
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当科における甲状腺機能亢進症の手術
熊井 惠美中根 束荒井 卓哉安達 正明片山 昭公内田 祥子柳内 統
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1996 年 6 巻 3 号 p. 181-184

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抄録

 当科では平成5年1月より平成8年3月までに382例の甲状腺手術を施行した。その内,甲状腺機能亢進症に対する手術は24例で,副作用(アレルギー反応や無顆粒球症)などで抗甲状腺剤の継続不能例や,術後再発または甲状腺クリーゼ再発予防などの理由で手術適用となった。術後の再機能亢進を回避しなければならない例が多く,全摘出術を11例に施行し,亜全摘出術13例でも極力残存量は少なくするようにした(2-5g)。反回神経は,同定保存し,上皮小体は,血流を保存しつつ複数個を残すようにした。術後,19例が甲状腺ホルモンを服用し,2例が活性型ビタミンD製剤を服用している。また,亜全摘出例の5例は投薬を必要とせず経過良好である。

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