1996 年 6 巻 3 号 p. 173-179
頭頸部扁平上皮癌新鮮例38例を対象にして,CYFRAとSCC抗原,TPAを比較,検討した。コントロールには非癌症例21例を用いた。CYFRAについては臨床経過を観察できた頭頸部扁平上皮癌20例についても検討した。各腫瘍マーカーの感度と特異度はCYFRAが63.2%と95.2%(cut off値1.1ng/ml),SCC抗原は52.6%と95.2%(cut off値1.1ng/m1),TPAは68.4%と100%(cutoff値50U/L)であった。CYFRAはSCC抗原と同等以上の有用性を有するが,TPAより若干劣っていると思われる。CYFRAは頭頸部扁平上皮癌の臨床経過をある程度反映すると思われる。