園芸学会雑誌
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原著論文(英文)
カルシウムとマグネシウム処理がキクの生長, 栄養成分含量, エチレン生成と内生ジベレリン含量に及ぼす影響
鄭 成淑大場 伸哉松井 鋳一郎原 徹夫
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2005 年 74 巻 2 号 p. 144-149

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抄録

カルシウム (Ca) およびマグネシウム (Mg) 処理がキク (Dendranthema grandiflora (Ramat.) Kitam.) の生長, 栄養成分含量, エチレン生成および内生ジベレリン含量に及ぼす影響を調査するために, 挿し芽苗の定植1か月後, CaおよびMg処理を行った. 処理区は対照区, 0.2g Ca, 0.5g Mg, 0.2g Ca+0.2g Mg, 0.5g Ca+0.2g Mgおよび0.2g Mgとした. 草丈は対照区と比較して, 0.5g Caおよび0.5g Ca+0.2g Mg処理区で増加したが, 他の処理区では影響が認められなかった. 0.2g Mg処理区を除いて, いずれの処理区でも地上部の乾物重は増加した. 窒素 (N) 含量はCa+Mg処理区とMg単独処理区で減少した. K含量はいずれの処理区で増加した. Ca含量は0.2g Caと0.5g Ca処理区とも増加したが, 0.2g Mg処理区では減少した. Mg含量はCa+Mgの処理区とMg単独処理区で増加した. 対照区と比較してすべての処理区で処理10日後にはエチレン生成が低下した. GA1, GA3様物質は0.2g Ca+0.2g Mg, 0.5g Ca+0.2g Mg処理区では減少したが, 0.2g Ca, 0.5g Ca, 0.2g Mg処理区では影響が認められなかった. これらの結果から, CaとMg処理はキクの生長と栄養成分含量だけでなくエチレン生成およびジベレリン活性に影響することが明らかとなった.

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