園芸学会雑誌
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原著論文(英文)
傷害処理カキ果実におけるACC合成酵素とACC酸化酵素の抽出と性質
〓 巧林中務 明板村 裕之
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2005 年 74 巻 2 号 p. 159-166

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抄録

傷害処理カキ‘西条’果実よりポリエチレングリコール (PEG) アセトン法を用いて1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸 (ACC) 合成酵素とACC酸化酵素を抽出し, これらの性質を調べた. カキのACC合成酵素活性における最適pHは8.5, ACC合成酵素活性が最大となるピリドキサールリン酸 (PLP) 濃度およびS-アデノシルメチオニン (AdoMet) に対するKm値はそれぞれ5μMおよび10μM, AdoMet存在下でのACC合成酵素活性の半減期は21分であった. 一方, ACC酸化酵素の最適pHは7.2であり, 基質ACCと補因子Fe2+に対するKm値はそれぞれ114μMおよび4μMであった. ACC酸化酵素活性が最大となる補因子HCO3濃度は40mMであった. さらにACC酸化酵素活性の半減期は約9分であり, in vitroでインキュベート中に非直線的に減少した. またACC酸化酵素活性はNi2+, Zn2+, Cu2+, Mn2+, Mg2+などの二価の陽イオンによって抑制された.

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