2006 年 75 巻 5 号 p. 410-414
野菜などの生鮮食品の食感を数値化する方法を開発した.この方法はナイフ形プローブを食品サンプルに突き刺した際の食感信号を,圧電センサーを用いた装置で測定するものである.この際,単位時間当たりに含まれる食感信号の振幅を積算した振幅密度を計算し,これを食感指標として定義した.得られた食感信号を周波数領域で解析するためにオクターブマルチフィルタを使用し,0 Hz から6400 Hz までの範囲で解析した.また,食感信号に含まれている周期的なノイズを取り除く技術も開発した.これはプローブが動き始める前のノイズのデータを,食感信号とノイズが混在している生データから差し引くことによって周期ノイズを取り除くものである.以上の方法を根深ネギに適用し,その食感の特徴を明らかにした.さらに,低周波領域 (0–50 Hz) の食感信号を解析することによって,根深ネギの葉鞘構造を確認することが可能であった.