抄録
カンキツ,カラタチおよびキンカンと同じく真正カンキツ類に属する Clymenia,Eremocitrus および Microcitrus の染色体のクロモマイシン A3(CMA)染色を行った.染色体は CMA(+)バンドの有無および位置から 6 種類に区分できた.すなわち CMA(+)を,A:両端および動原体近傍に有する,B:一方の端部と動原体近傍に有する,C:両端に有する,D:一方の端部に有する,E:CMA(+)がない,Dst:付随染色体を有する D 型である.各種はこれらのうち 3 または 4 種類の染色体を有し,独自の CMA バンドパターンを示した.Cl. polyandra では 2C + 8D + 8E,E. glauca では 2C + 9D + 7E,M. australis では 1C + 11D + 6E,M. australasica では 1B + 2C + 10D + 5E,M. inodora では 8C + 7D + 2E + 1Dst,M. warburgiana では 2A + 14D + 2Dst,Sydney hybrid では 2C + 9D + 7E であった.Cl. polyandra, E. glauca, M. australis および Sydney hybrid の染色体構成は相互に似通っていた.これは,真正カンキツ類における染色体構成に共通の背景が存在することを示すものかもしれない.一方,Microcitrus の染色体構成の多様性を明らかにすることもできた.