抄録
ハカタユリ(Lilium brownii (F. E. Brown) Miellez var. colchesteri E. H. Wilson)は開花中に花色が淡黄色から白色へと変化する性質を持っている.本種における花色変化機構を明らかにするために開花中の 2 日間にわたってカロテノイド含有量と構成を調査した.花色に寄与する主要色素はルテイン,ゼアキサンティンおよび β-カロテンであり,花弁の白色化は総カロテノイド量の減少によるものであった.リアルタイム PCR によりカロテノイド分解酵素遺伝子(LbCCD4)の発現解析を行ったところ,この遺伝子発現は開花 12 時間後に最大となった.以上の結果から,ハカタユリの黄色花弁に含まれるカロテノイドはカロテノイド分解酵素の働きで無色の物質へと変化することにより白色花となることが明らかとなった.