園芸学会雑誌
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支那栗の Xenia に關する研究
飯森 三男太田 敏輝
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1943 年 14 巻 3 号 p. 213-221

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抄録

1. 昭和14年から17年まで4ケ年に亙つて, 宮川系及日野春系の支那栗を供試し, 支那栗の澁皮の剥皮の難易, 果實の重量, 果肉の色等に及ぼす花粉の直接影響に就て實驗した。
2. 自家授粉では30%程度の結實歩合のものが多いが, 3.6%と極めて低いものもあり,栗の特性から見て實用的には完全なる自家結實とは考へられない。
3. 日本栗授粉區は常に自家授粉よりも結實歩合高く, 自然の状態でも日本栗の花粉の交雜度は可なり高い樣に思はれる。
4. 1毬當り含顆數は自家授粉, 支那栗間交配, 日本栗授粉の間に差異があるとは認められなかつた。
5 支那栗に日本栗を交配した果實は支那栗間交配のものより1粒の重量が大きい事が認められた。
6. 支那栗の澁皮の剥皮の難易には明らかに花粉の直接影響が見られるが, 剥皮が極めて容易なものでは輕微であり, 比較的剥皮が容易でないものには顯著に現れる樣に思はれる。
7. 果肉の色に及ぼす花粉の直接影響は認ぬられるが極めて輕微であつた。

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