園芸学会雑誌
Online ISSN : 1880-358X
Print ISSN : 0013-7626
ISSN-L : 0013-7626
砧木の種類と果樹根群の變異に就て
第1報 砧木實生に關する調査
木村 光雄
著者情報
ジャーナル フリー

1943 年 14 巻 3 号 p. 229-240

詳細
抄録

1. 砧木の種類と果樹根群の變異に就て調査を行はんと企圖し, 先づ第一手段として砧木植物中柿, 君遷子, 桃, 梅及び李の實生の發育状況を調査した。
2. 地下部生體重量を100として根幹, 大根 (直徑0.5cm以上), 中根 (0.5~0.2cm) 及び細根 (0.2cm以下) の割合を%で見ると柿は大根42%, 君遷子は細根25%, 桃は中根29%, 梅は根幹34%及び李に大根36%が夫々の優位を占めて居た。
3. 柿は垂直的且つ直根的で深根性であり, 君遷子は水平的且つ細根的で淺根性である。
4. 桃は水平的分布性強烈であり, 梅は水平的より寧ろ垂直的分布性を有する傾向が認めめられ, 李はあらゆる點で先づ兩者の中間性を有してゐる。
5. T-R率を見ると柿及び君遷子は其値は何れも1以下であり, 桃, 梅及び李は1以上である。而して地上部の發育に比して地下部の割合は柿は君遷子より強烈であり, 桃は梅或ひは李よりも強烈である。

著者関連情報
© 園芸学会
前の記事 次の記事
feedback
Top