園芸学会雑誌
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温州ミカンに対する燐酸質肥料の影響について (第1報)
32P使用による燐酸の移動分布について
田中 諭一郎中間 和光小池 章石田 隆西垣 晋渋谷 政夫小山 雄生
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1960 年 29 巻 1 号 p. 63-69

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抄録
1. 温州ミカンに対する燐酸の効果を判定することは非常に困難であるので,32Pを用い施肥法の改善試験を行なつた。
2. 当場圃場(礫質壌土)の20年生の普通の大きさの温州ミカンに対し,3カ月後測定する目的で夏肥に32Pを入れた場合,1本当り10mcは少なくとも必要である。
3. 測定の結果投入燐は樹冠上位葉に多く下位葉に少なく,新旧葉間には差がなく,生長部位には必ずしも多く集積していなかつた。また果実中にも検出されなかつた。
4. 根と対応関係のある枝は相関が高く,特殊の場合以外は処理側の葉に多量の32Pが検出された。
5. 主枝の木質部に注入したものは殆んど他の主枝には検出されなかつた。
6. 樹冠下施肥は輪状施肥に比べの32P吸収が多かつた。
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