園芸学会雑誌
Online ISSN : 1880-358X
Print ISSN : 0013-7626
ISSN-L : 0013-7626
リンゴ果実におけるジョナサン・スポットの発生機構に関する研究 (第2報)
紅玉果実の窒素栄養および採収時期とスポット発生との関係
苫名 孝
著者情報
ジャーナル フリー

1961 年 30 巻 2 号 p. 117-124

詳細
抄録
1.リンゴ品種紅玉の貯蔵果実について窒素含量および採収時期の差異がジョナサン・スポットの発生に及ぼす影響を調査した。
2.スポットの発生の多い個体は一般に果皮および果肉に窒素を多く含んだ。特にこの関係は施肥試験においても認められ,燐酸欠除・窒素多用区では葉内および果肉内の窒素含量が最も多く,スポットの発生が著しかつた。
3.また,一般に,比較的早期の採収果にスポットの発生率が高かつた。特にスポット発生の多い燐酸欠除・窒素多用区でもこの傾向は強く,10月末の採収果にはほとんど発生しなかつた。
4.紅玉果実の生長に伴なう窒素含量の分布および消長をみた。その結果,種子の発育期を終り果実の最大容積増大期に入ると,特に果肉内の窒素含量(絶対量)は急増した。
著者関連情報
© 園芸学会
前の記事 次の記事
feedback
Top