園芸学会雑誌
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秋ギクの無低温下における地中発生新芽の高所ロゼットの形成とその打破
関谷 治男
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1961 年 30 巻 3 号 p. 263-269

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抄録
1.低温を与えない条件下で秋ギクを開花させ,その株の地中発生新芽による繁殖をくりかえした場合,地中発生新芽をどのくらい続けて使用できるかを知り,そのときのロゼット形成の有無とその打破の可能性を知るために行なつた。
2.開花1回株の地中発生芽は伸長後短日におくと開花したが,ロゼットも生じた。この開花株よりとつた地中発生新芽は,伸長後に大部分戸ぜット化した。3.摘心短日,摘心長日処理株から発生した地中発生芽は開花し,ロゼット芽を形成しなかつたが,その開花株よりとつた地下発生新芽は伸長後短日におくと頂芽はロゼット化した。
4.短日条件下に発生した地下発生新芽は,長日条件下に置かれても,長日条件下に発生した地下新芽より伸長が鈍い。
5.低温を与えぬ条件下で茎の伸長後に形成されたロゼットは,長日処理およびジベレリンの100ppm散布によつて打破し,伸長させ開花させることができた。
6.長日処理によつてロゼット打破したものを,再び短日処理をすると軽いロゼット化を起すが,まもなく伸長開花する。
7.ロゼット打破の目的でジベレリン散布回数を多くすると頂芽の開花が早くなり,茎長も長くなるし総着蕾数も増加した。
8.短日処理前5日,または短日処理時にジベレリンを散布すると,ロゼット化を防ぐことが可能であり,開花させることができる。
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