園芸学会雑誌
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ダイコンの自家ならびに交雑不和合性の遺伝学的研究 (第5報)
建部 民雄
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1962 年 31 巻 3 号 p. 185-192

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抄録
ダイコンの自家ならびに交雑不和合性の遺伝行動はたいへん複雑で, それを遺伝学的に説明することは極めて困難である。著者は従来 RILEY (1930) の Capsella における仮説によつてその説明を試みたが, その後研究の進展と共に HUGHES および BABCOCK (1950) の Crepis における仮説 (その後 BATEMAN によつて更に展開された) によつて一層よく説明できることがわかつた。すなわち
1. 花粉の反応は花粉のもつ遺伝子型によつて決定されるのでなく, 父植物の遺伝子型によつて決定される。
2. 不和合性は1系列の離反因子 (S1~S10) によつて支配される。
3. 花粉および雌蕋においてS遺伝子間にある種の優劣関係が存在する。
以上の仮説によると従来報告した時無, 宮重, 聖護院,練馬および天満の諸成績はどれもよく説明することができる。
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