園芸学会雑誌
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土性および窒素と加里の多用がサツマイモの地上部生育相ならびに塊根の着生および発育に及ぼす影響について
森田 敏雄
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1964 年 33 巻 1 号 p. 75-80

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抄録
粘土含量を異にする4種の土壌を供試して, 窒素対加里の施用比率をおよそ1対1に保ちながら多肥した場合, サツマイモの地上部生育ならびに塊根の着生およびその発育に及ぼす影響について鉢試験を行なつた。
1. いずれの土壌でも施肥量が増加するにつれて, 生育期間を通じ地上部生育がしだいに優位を占めながら推移するが, 粘土含量の多い土壌ほどその傾向が顕著であつた。
2. 施肥量の増加に伴ない, 塊根着生期におけるつるの伸長が著しくなるため, 塊根の着生にはむしろ不利な態勢に置かれるが, 肥大期にはいつても地上部生育の上で優位を占めるため, とくに大いもの収量を高めて増収に役立つた。
3. いもの乾物率は土壌の粘土含量が増加するにつれ, しだいに多肥区の側ほど高くなる傾向があるが, 粘質地では多肥に過ぎるとかえつて低下する傾向があるように見受けられた。
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