園芸学会雑誌
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ミヤコワスレの促成栽培 (第10報)
促成中の夜温, 日長, 光度および光の種類が生育, 開花に及ぼす影響
石田 明
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1966 年 35 巻 2 号 p. 177-182

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抄録
1. 本実験はミヤコワスレの生育, 開花におよぼす, 促成中の夜温, 日長, 光度, 光の種類の影響を調べるために行なつた。
夜温, 10°C, 15°C, 日長, 8時間, 24時間の組合せ処理, 光度は寒冷しや, ヨシズ, ゴモの被覆によつて自然光のそれぞれ, 51.3%, 32.5%, 12.5% にかえる処理, 光の種類はセロハンにより, 赤, 青, 黄, 白にかえる処理を行なつた。
2. 促成中の高夜温 (15°C) と長日 (24時間) は, 生育, 開花を促進した。夜温15°Cにおいては, 24時間日長区は8時間日長区よりも, 生育, 開花を促進した。
夜温10°Cの長日区は, 夜温15°Cの短日区 (8時間) よりも, 効果的であつた。
開花期, 草丈, 葉数, 花径については, 夜温と日長との間に交互作用が認められた。したがつて, 生育と開花の促進については, 夜温と日長の間に, ある程度, 相互補償作用があるとおもわれた。
3. 促成期間中の高光度は, 開花を促進したが, 生育を遅らせた。しかし, 自然光の32.5%までの低光度は開花を遅らせたが, 生育を促進した。12.5%の光度では, 約60%のブラインドが発生した。
4. 赤色光線は, 生育と開花を促進したが, 青, 黄, 白色の光線は, 赤色光線ほどじゆうぶんに促進しなかつた。
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