抄録
1. ナシ黒斑病菌 (Alternaria kikuchiana TANAKA) を2% Sucrose 加用バレイショ液体培養基で静置培養(25~28°C, 18日間) した。この培養菌体およびろ液からエーテルおよびクロロホルムで host-specific toxin を抽出した。抽出した毒物質は酸性フラクションに分別し, カラムクロマトグラフィーで精製した結果, K-III物質を得た。K-III物質は薄層クロマトグラフィーで単一物質と確認された。
2. K-III物質はナトリウム熔融による元素定性分析から, 窒素, 硫黄およびハロゲン元素を含まない。またグロート試薬およびニンヒドリン試薬によるチオニル基および遊離アミノ基の官能試験で陰性を示した。
3. K-III物質の紫外線吸収スペクトルはほとんど吸収がなかつた。
4. K-III物質の二十世紀品種幼葉に対する毒性は稀釈限界濃度で0.5ppmを示した。