園芸学会雑誌
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果実の収穫後における成熟現象と呼吸型の関係 (第1報)
カキ果実における呼吸の climacteric の有無
岩田 隆, 中川 勝也, 緒方 邦安
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1969 年 38 巻 2 号 p. 194-201

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抄録
(1) 果実収穫後における呼吸型の意義を考究する目的で, climacteric の不明確な数種果実を含め, 成熟現象と呼吸の変化の関係を検射した。ここではカキ果実について得られた結果を報告する。
(2) 甘ガキの花御所, 渋ガキの愛宕•宮崎無核の3品種を20°Cに貯蔵し, CO2排出量ならびにエチレン生産量を個体別に測定した。いずれも成熟時にCO2排出量の上昇があつたが, その時期は完熟期以降過熟期にかかるものであつた。
(3) エチレン生産量は低いが, 成熟に伴う消長がみられ, その増大の始まる時期は呼吸の増大期よりかなり先行し, 果肉の軟化が始まる時期とほぼ一致した。
(4) 特有の果皮色の発現, 果肉中のカロチノイドの急増なども呼吸上昇期より相当先行するのが一般であつた。
(5) 花御所果肉切片のO2吸収におよぼす呼吸阻害剤の効果, CO2排出量におよぼすピルビン酸塩の添加効果は熟度が進む間に著しい変化をみせた。
(6) 花御所果肉切片にグルコース-U-14Cあるいはクエン酸-1-5-14Cを添加した場合の14CO2生産を測定したところ, 前者では熟度進展に伴つて急増し, 後者は反対に顕著な減退を示した。
(7) 花御所果実中の有機酸の変動をみると, 熟度が進むとクエン酸が消失してフマール酸が増大し, リンゴ酸は幾分増加の傾向であつた。平核無ではリンゴ酸, クエン酸ともに軟化の進展に伴つて著しく減少した。
(8) たんぱく態ちっ素紀の比率は熟度が進む間に多少の増加を示した。
(9) カキ果実は熟度進展時に呼吸量が増大し, 顕著な呼吸の質的変換もあるが, これを climacteric class として扱うのは妥当でないことを考察した。
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