抄録
巨峰の花振い防止の目的で, GA3 50ppm; GA4+7 50, 70, 100ppm; カイネチン5, 10, 20ppm水溶液の開花4日前花房浸漬処理と, Bナイン0.5%水溶液の新梢7節時散布を試みた。
カイネチン処理の花は落花後全部脱落した。GA処理花房は無核果を生じ, 花振いの甚しい無処理花房に比して果房重が大となり, 中でもGA3 50PPm; GA4+7 75, 100ppmの各区でその効果が高かつた。
0.5%Bナイン散布は新梢の伸長抑制と有核果の着生増加にきわめて効果的で, 果汁の品質, 果粒の大きさともに無処理区のものと変らなかつた。
以上の結果から, 巨峰の単為結果の誘起にはGA3 50ppm; GA4+7 75, 100ppm処理が, 有核果の増加には0.5%Bナイン処理が効果的といえる。