抄録
1969年6月から1970年3月まで, オックス•アイ•デージー (Chrysanthemum leucanthemum L.) のバーナリゼーションの研究を行なつた。側枝をとつては挿して発根させ, 7月~12月の間, 毎月1日から30, 60, 90日間10°Cにさらした後, ファイトトロンの20°C終夜照明室に移して, 抽台, 発らい, 開花を調べた。ただし, 7, 8月用には6, 7月, それ以後は8月に発根させた植物を準備した. 11, 12月両月は90日区をやめ, 無低温区を加えた。10月以後の処理では高い発らい, 開花率になつたが, 7~9月の処理では低率であつた。7月30, 60日両区と, 8月30日区でいくらか抽台, 発らいがみられた。これは苗が初夏に低温をうけた可能性を示している。これに対し, 夏発生した側枝を用いた9月区では, ディバーナリゼーション様の現象を示し, 開花前に花首がくさつた。これは苗が7, 8月区の苗より後で発生した苗条であつて令が若く, かつ長期間不十分な照度の光の下におかれたためと考えられる。