2022 年 18 巻 4 号 p. 180-185
本稿では、我が国の金属鉱物資源政策について簡単に整理を試みた。そのために、まず昨今の金属鉱物資源市場における懸念点等を整理し、それを踏まえて政策的な動向を整理した。我が国の金属鉱物資源政策の主たる目的が原料の安定供給確保であることは変わらない。しかしながら、昨今、こうした原料調達が持続可能性に対する阻害要因となってはいけないという社会的要請を受け、供給リスクの具体的な内容が変化してきたこと、そして政策としてもその点への対応が必要とされつつあることを示した。その上で、LCA、MFA といった評価系の研究との接点を探すことで、本学会にとっての鉱物資源政策の重要性を示した。