園芸学会雑誌
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リンゴ果汁中の有機酸とKの関係
山崎 利彦新妻 胤次田口 辰雄
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1971 年 40 巻 3 号 p. 268-271

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抄録
1. この研究はリンゴの果汁中の有機酸とKの関係を明らかにするために行なつたものである。
2. ゴールデン•デリシャス, 国光の果汁中の有機酸の約88%はリンゴ酸であり, 他にごく微量の酢酸, ギ酸, クエン酸などがみられた。リンゴの果汁中のカチオンの約92%はKであり, Mg, Caはそれぞれ5.8,2.2%であつた。
3. ゴールデン•デリシャスの果汁の滴定曲線はリンゴ酸のそれとよく一致した。
4. Kと遊離酸の間に密接な関係が認められない果汁でも, 結合酸とpHの間には高い相関々係が認められ, リンゴ酸を滴定して得られた結果とよく一致した。
5. 190個所のゴールデン•デリシャス園から集めた果汁の遊離酸とK濃度との間には0.51の相関係数が認められたが, 相関係数を低くした要因はおもにpHの変異であつた。
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