園芸学会雑誌
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砂栽培に関する基礎的研究 (第4報)
砂の粒径組成と制御環境下でのキュウリの初期生育との関係
遠山 柾雄
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1974 年 43 巻 3 号 p. 229-236

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抄録
培地の砂の粒径組成とキュウリの初期生育との関係を調べるために, 九州大学ファイトトロンの25°C照度10,000ルックス人工照明室を供試して実験を行なつた. さらに, ファイロンハウス下での結果と比較検討した.
1. 8, 12, 16および24時間の各日長区の中では16時間日長下で粗砂大および細砂区の間の地上部重, 地下部重はともにもつとも差が大きかつた.
2. 細砂区に対する粗砂小, 中および大の各粒径区の比率は茎長, 葉面積, 地上部重および地下部重の各形質ともほぼ同様の指数値をしめした. すなわち, 各形質とも細砂区を100とした指数で表わすと, 粗砂小80~90, 粗砂中40~50. 粗砂大35~40であつた.
3. 粗砂大に粗砂小および細砂を重量比で20%ずつ増量混合した場合のキュウリの初期生育はファイトトロンとファイロンハウスの両環境条件下ともに傾向は等しく, 粗砂小の場合40%, 細砂の場合20%以上の混合比で地上部乾物重の増加はみられなくなつた.
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