2023 年 22 巻 3 号 p. 133-139
茨城県つくば市のフジ、岩手県盛岡市内のリンゴおよびヤエヤマブキの枯死枝上にPhaeobotryon 属の一種が確認された。その形態的特徴および分子系統学的位置から、本菌はPhaeobotryon aplosporum M. Pan & X. L. Fa と同定された。これまで日本からのPhaeobotryon 属菌の報告は無いことから、本邦初記録となった。本種は、複数の地域および宿主上で確認されたため広く日本国内に分布する可能性があり、また本属菌には樹木病原菌が含まれることから、今後も分布および生態を明らかにする必要がある。