抄録
本研究はアスコルビン酸の果実, そ菜における生理作用の解明を目的として行なわれたものであるが, 本報ではオクラを用いアスコルビン酸含量の生育, 貯蔵に伴う変化について調べ, 収穫時期および収穫時間による含量の相違, 夏どりと春どり果実における含量相違, 貯蔵条件による含量変化との関連について検討した.
1. オクラ果実は開花後生育に伴って還元型 (ASA), 酸化型 (DHA) アスコルビン酸とも減少し, われわれが食用に供する時期で総アスコルビン酸 (TAA) は30mg%前後であった.
2. 夏どり (7月上旬~9月下旬) のオクラでは, とくに7月下旬~8月上旬のASAが高かったが, だいたい全期間を通じ30mg%前後であった. DHA含量は収穫末期になるにつれ増加する傾向を認めた.
3. 収穫時間の相違によるアスコルビン酸の変化については, 午後2時頃のもののASA含量がもっとも高く, ついで午前10時, 午後7時頃で, 午前5~6時頃のものはもっとも低かった.
4. 夏どり (7月~9月) のオクラのASA含量は30mg%前後で, 春どり (4月~6月) のものより高含量を示した. またDHAも夏どりのものの方が高含量であった.
5. オクラの貯蔵中の鮮度変化は, 1°C区で低温障害による鮮度低下が激しく, 鮮度保持の上から12°C貯蔵が良好であることを認めた. 貯蔵に伴うASA含量の変化は, 1°C区で低温障害が発生する時期にASAの激減をきたした. 20°C, 室温 (25~28°C) 区では委凋によるASAの低下が生じたが, 1°C区に比較すれば低下がゆるやかであった. 12°C区ではアスコルビン酸含量の目立った低下がなくアスコルビン酸保持の上からも12°C貯蔵がすぐれていた.
6. 低温障害の発生防止, アスコルビン酸保持を目的とし1°CでCA貯蔵を行った結果, 普通貯蔵の1°C区とあまり変化なく, 貯蔵3日後からの障害発生, ASA減少, DHA増加という現象が起こった. しかし, 12°CCA貯蔵では12°C普通貯蔵に比ベアスコルビン酸含量は減少するが, 鮮度が約10日間延長でき30日前後貯蔵可能となることがわかった.